「教授」という呼び名で著名な音楽家、
元イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)、
戦場のメリークリスマスなどの映画音楽でも名を馳せました。
映画「ラストエンペラー」ではアカデミー賞、グラミー賞を受賞。
女性によくもて、多くの浮名を流した方でもありますね。
前回の細野晴臣さんのブログで書いた通り、
まずは YMO 時代のお2人の葛藤を算命学の観点から
読み解いていきたいと思います。

驚きです。坂本さんは縦線に三連で玉堂星が並んでいます。
細野晴臣さんは、縦線に三連「龍高星」ですので、
同じ習得本能のエネルギーではありつつも、対称的なエネルギーを持つお2人です。
坂本さんが持つ「玉堂星」は正統な理論、学問を継承していくエネルギーです。
細野さんの持つ「龍高星」は体験知、改革などのエネルギーです。
お2人の関係は、「理論主義」対「現場主義」といった様相です。
若ければ若いほど、坂本さんは理論主義に偏りやすかったと推測します。
YMO の結成 1978 年は、坂本さんの大運は戊戌です。
中央に庫気刑が巡っています。
社会との関わりの中で目上への反発心を感じやすい 10 年になります。
もともと命式に庫気刑があり、目上とのトラブルを抱えやすい宿命が、さらに拍車をかけています。
年運は己卯年、西方半会、中央害、東方破が巡ります。
YMO がスタートした年を見ても、現実面に二重害がかかっているととっていいでしょうから、
現状に対して自分の意のままにならないと感じる、かなり強いストレスを抱えやすい時期です。
理論主義と現場主義との対立があり、
坂本さんは目上に反発心を強く抱きやすく、
自分の意を通しにくいストレスを強く感じやすく、
目上に反抗的な態度をとってしまいやすい時期、
細野さんからみると、現実にゴタゴタが起こりやすいスタート。
これだけみても、YMO の活動が一筋縄では進まないことが、
算命学の見地から読み取れます。
細野さんは対談の中で、
その頃の二人の確執を坂本さんのファザーコンプレックスが原因と分析しています。
算命学の見地からはどうでしょうか。
まず、ファザーコンプレックスとは父親に対する、感情のもつれを意味します。
実際の父親であったり、父なる存在に対してもつ感情のもつれです。
庫気刑は、目上との争いを意味します。
目上には父だけでなく、母もいますが、
算命学の視点で考えると、目上との関係は北方との関係で見ます。
北は父親の定座ですので、目上に象徴されるのは父なる存在ということになります。
父なる存在に対するファザーコンプレックスの中に、
プロメテウス・コンプレックスというものがあります。
このプロメテウス・コンプレックスは庫気刑の理解に役立つので説明したいと思います。
ギリシア神話では、
主神ゼウスは人間に火を与えることを禁止していました。
しかしプロメテウスは自然の脅威や寒さに怯える人間に
その禁止を犯し、火を天界から盗み、与えました。
その行為によって人間は火を手に入れ、文明を発展させていきました。
プロメテウス・コンプレックスとは、
父なる存在が作った戒律を侵す、父なる存在が作った規範や思想を壊し超えようとする心理や行動が含まれています。
神話には東西を問わず人間が共通して根底に持つ心理が現れていると言われています。
私はこうした視点は算命学の理解にも役立つと考えていて、
庫気刑は、人間に共通する心理であるこのプロメテウス・コンプレックスから生まれる心の動きが深く関係していると考えています。
プロメテウスは父なる存在ゼウスの戒律を犯す行為によって、とてもとても残酷な罰を受けています。
父なる存在を超えようとする心理は、創造性や革新につながる反面、とても危険な面も含まれていることが象徴されています。
安易には、庫気刑を発動させないほうがよいと言われる所以です。目上に対して礼節を失わないように、感情的に動かないようにとのアドバイスが出てきます。
坂本さんの命式に戻ります。
坂本龍一さんの命式では、父親のエネルギーは日支にあり、天干に出ていません。
父親を超えられる宿命です。
坂本龍一さんの父は、細野さんが言うように、有名な編集者で偉大な父親でもありました。
その偉大な父親を超えられたと感じたときに、坂本さんの庫気刑は昇華されていったのではないでしょうか。
坂本さんは庫気刑を彷彿とさせるエピソードが多い方です。学生運動への参加や、反発を感じる有名作曲家の批判ビラをまいたり(Wiki より)、「いつもあるサークルのボス的存在」の細野さんとの確執など。
庫気刑的な活動、脱原発や環境問題など政治への批判や社会運動への参加は晩年まで続きますが、
若い頃のような冷静さを欠くような荒っぽいものではなく、洗練した活動となっていきます。
庫気刑を陰占に持っている人は、その心理的な動きをデフォルトに持って生まれています。庫気刑は人に共通する心の動きですので、陰占にもってない人も眠っているだけでこころの奥底には持っています。
後天運の巡りで刺激されたりしますので、宿命にある人もない人も、前もってこのような心の動きが起こりやすくなると心づもりをしておくことは大切です。
心づもりがちょっとある、このちょっとが大きな違いで、とても大切です。
算命学を活用し、運気の流れを知ることで、運命に振り回されず、より自由に生きることが可能になります。
このブログが算命学の理解を深める一助になれば幸いです。
茶以伶